第25回 日本精神衛生学会大会

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1.大会テーマ  「こころの健康と援助を再考」

 

2.期  日   20091114日(土)〜15日(日)

 

3.会  場   国立看護大学校 
          東京都清瀬市梅園
1-2-1 Tel  042-495-2211

          西武池袋線清瀬駅下車 徒歩12

 

4.主要プログラム

 
14日(土)の予定>

【11月14日(土)午前】
■公開講座  「福祉を育む心のふるさと」

  大会が開催される東京都清瀬市近辺には、多くの伝統ある医療施設があります。地域としても様々な福祉に関する活動が行われてきました。府立清瀬病院他の療養所が地域と共に歩んできた道、また、福祉ボランティア活動の実情などをシンポジストにご紹介いただき、福祉を育んできた街の歴史と心温まるエピソードについてお話を伺います。

■ 大会長講演  「援助のコミュニケーション」
  心への援助行動を分析してみると、お互いの関係性や個性の組み合わせによってその効果が異なっています。共通するものに、笑顔、タッチング、寄り添う行動などの受容や共存性、また、言語では、優しい言葉・共感の伝達・明確化と促し・ユーモア・自己開示・助言提案などがあり、相手の気持ちを変化させています。援助行動の具体的な場面を映画のシーンなどで示しながら、援助の多面性とコミュニケーションの特徴について解説します。

■ シンポジウム1  「ひきこもりをめぐって」 

  高塚雄介氏(本学会理事長・明星大学)にコーディネーターをお願いし、東京都による「ひきこもり調査」の結果をふまえつつ、ひきこもり支援の現状と課題について意見交換を行います。シンポジストに二神能基氏(ニュースタート事務局)、荻野ゆう子氏(子ども家庭教育フォーラム)らを迎える予定です。

【11月14日(土)午後】 
■ シンポジウム2  「地域精神保健活動の可能性」 
  地域で精神保健活動を実践されてきた小松博子氏(かがやき会)からは、活動を豊かなものにするために何が重要だったかを作業所や福祉ホームでの経験からお話いただきます。水野淳一郎氏(長信田の森心療クリニック)には、秋田県の豊かな自然の中で家族、学校、地域の関係機関と積極的に連携を行い、治療・教育活動を展開している例をご紹介いただきます。また、贄川信幸氏(日本社会事業大学)からは、精神障害をもつ人たちの体験や声を載せた定期雑誌を全国に発信するなど、情報提供とイベント企画に積極的な展開を見せた「コンボ」の活動の報告を受けます。

■ シンポジウム3  「職場のメンタルヘルス:個人と組織の活性化に向けて」 
  労働力人口が減少している現在、企業や社会では多様な労働力の活用と、労働力の質の向上が求められています。職場のメンタルヘルスにおいても、医療・福祉・福利厚生としての視点だけでなく、健康度の高い労働者による生産性の高い職場づくりが求められています。最近の動向を踏まえ、個人と組織の活性化とその対策について島津が概説し、金井篤子氏(名古屋大学)にはキャリア開発とワーク・ライフ・バランスの視点から、真船浩介氏(産業医科大学)には職場環境改善の視点からそれぞれ話題提供をしていただきます。個人と組織の活性化に向けて、こころの健康に関わる専門家がどのような役割を果たすことができるかを議論したいと考えます。 島津明人(東京大学)

■ シンポジウム4  「感情労働へのセルフケアとサポート」
  初めに、武井麻子氏(日本赤十字看護大学)から「感情労働としてのケアとその代償」と題して、援助職が陥りやすい感情労働の問題について基調説明があります。それに対して、宮本真巳氏(東京医科歯科大学)から、「異和感の対自化」によって燃えつきを防ぐ方法が紹介されます。また、病院でのリエゾン・ナースの具体的な取り組みについて話題提供がされ、最後に、セラピストであり著作活動でも現代人の心のケアとサポートに取り組んでこられた菅野泰蔵氏(東京カウンセリングセンター)から、感情労働についての提言がなされます。
 
■ 口演・ポスターによる演題発表  14日の午前午後、15日の午前にあります。

■ 自主シンポジウム@  「認知症の人と住民の心の交わり」 

  認知症の中でも進行性のアルツハイマー病の人は、心が少しずつ若い時代の自分の世界に戻っていきます。この人たちは自分の馴染みの役割を発揮すれば、普通に暮らせます。そのような「なじみのふるさと」をつくり、支えることが重要であり、その役割を担う「よりそいびと」を育て、活動することが大切です。地域ごとに「認知症の人の友の会」をおこし、広げることが必要です。シンポジストには、関東、岐阜などでこれらの活動をしているグループの代表の方に話題提供をお願いします。 
本学会高齢者問題研究班  喜多祐荘(中部学院大学)


 
15日(日)の予定>

【11月15日(日)午前】
■自主シンポジウムA 「心理的応急処置(Psychological First Aid)について考えよう」
  心理的危機状態に介入するにはさまざまなアプローチがあります。社会的サポートの強化、準備教育、危機に直面している時の介入、その後のフォローアップの段階などです。MCRTとして主に活動するのは「Psychological First Aid」ですが、状況によりその対応は一定ではなく、応用力が求められます。今回のシンポジウムでは、身近で何か起った時にすぐに役立つものは何かを考え、話し合いたいと思います。MCRTの会員でない方も是非ご参加下さい。
本学会メンタルクライシス・レスポンスチーム(MCRT)部会 重村朋子(日本医大)

■ 自主シンポジウムB 「“おじちゃん・おばちゃん”による地域精神保健活動」
 地方や都会の自称「おじちゃん・おばちゃん」に、地域の中で日常的に知らず知らずに行っている活動について、また、生き方などを語ってもらい、その日常の活動がいかに地域の精神保健活動に役立っているかをアンケートなどの客観的な情報を含めて経験者から紹介してもらいます。小嶋敬子氏(なじみのふるさと)、梅田洋子氏(民生委員)、杉山正幸氏(福祉施設ボランティア)ほかの話題提供に、コメンテーターの廣池利邦氏(群馬社会福祉大学)が加わり、より良い地域精神保健活動について考えていきたいと思います。 齋藤秀俊(中部学院大学)

【11月15日(日)午後】 
■公開講演 「こころと映画と社会」 大林宣彦(映画監督)
  映画監督の大林宣彦氏は、「転校生」「時をかける少女」「青春デンデケデケデケ」「理由」、最新作の「その日の前に」など、幅広いジャンルにわたって印象的な映画を作ってこられました。また、著作でも人間関係と心について味わい深いメッセージを提供されています。人々の活きいきとした「こころ」の動きに焦点を当てて活動を続けておられる大林監督の情熱は、こころの健康に携わる我々の仕事や願いにも共通するものが多くあるように思われます。援助活動に携わる我々への提言も語っていただく予定です。

■ 公開シンポジウム 「心を豊かにする関係性」 
  このシンポジウムでは、“普通”の人の心を理解する視点で、個人が疎外される心理状態と人間関係、逆にその心を癒し、豊かにする人間関係について、様々な立場からの話を伺います。心理臨床学の立場から下山晴彦氏(東京大学)に心の傷つき方と癒され方についてお話いただき、文化人類学の視点からは、宗教にも造詣が深い上田紀行氏(東京工業大学)に、心の捉え方や「生きることの意味」の豊かさを語っていただきます。また、エッセイストの岸本葉子氏には、現代の多様化する価値観や様々な生き方など、執筆活動の中で関心を持たれていることや、「心」への疑問についてお話をいただきます。市民の皆さんにもわかりやすく、また、楽しい討論が期待されるシンポジウムです。

◎ 公開講座・公開講演・公開シンポジウムは、どなたでも参加できます。参加は無料です。
 
★ 第25回大会事務局 ★

東京都清瀬市梅園1−2−1 国立看護大学校 鉅鹿研究室内
●参加申し込み TEL・FAX 042-439-4211 Eメール seishin25@m3.gyao.ne.jp
●発表申し込みほか TEL  042-495-2398 Eメール oogak@adm.ncn.ac.jp
●大会ホームページ http://jamh2009.jp/ 


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